だいぶ前のことですが、知人が脱サラでラーメン屋を始めることになりました。
麺やスープにもこだわりを持ち半年も前から研究していたそうです。
店名も“ラーメン味一番”と決めていました。
そして準備も進み開店1週間ほど前の出来事でした。
『大変だ。もうだめだ!お店やれないよ・・・・・』との悲痛な叫びにも似た声の電話です。
「どうしました? 何があったんですか?」と聞くと
『近くにラーメン屋が明日開店するんだよ・・・・』とのこと
行ってみると、そこから50mくらい離れたところに、開店の花輪がいくつか並び、店名も“中華一番”となっていました。
さあ大変、リサーチ不足でしたがそこは角を曲がったところで、気が付かなかったようです。
同業店が近隣にあることは他の商売でもあることですが、店名の“一番”がご近所ではもめごとの原因になります。
しかし、当然先に開店した方に優先権があるでしょうから、今更“一番”は使えません。
知人は店名にこだわりを持っていたので、いまさら変わった名前では気乗りがしない、と落ち込んだまま。
そこで他人事には無責任なことを言えるものだと後で冷や汗をかきましたが、その時のアイデア。
一番の一はマイナスと読む。こちらはそれに1を足してプラスの十にすれば、マイナス思考よりプラス思考の方が商売繁盛間違いなし。
とちょっとアルコールの力も借りて話をしました。
最初は気乗りがしなかったようですが、口の中で『プラス思考で味番・・・・、プラス思考で味十番・・・・・』と何度もぶつぶつ言っているうちに、
『よし これに決めた』ということで、店名を“ラーメン味十番”。
当初は奥さんと二人で細々とやれればいいとの思いでしたが、1年後には店員を2人も採用し、なかなかの繁盛店になりました。
何事も物事は考え方次第ですね。
マイナス思考で考えるか、プラス思考で考えるかによって、行動も変わり環境も変わり、そして人生も変わるものだと思いました。
一歩前に足を踏み出す勇気があるかないかによって、大きく変わるものだと誰かが言っていました。
当社の社員の平均年齢は約33歳です。会社は53歳ですが今は若いパワーと積極的な考えと行動で頑張っています。
若さは一歩踏み出すどころか、4歩も5歩も駆け出すこともあります。
若さには勇気があるからいいですね。
ところでライバル店はどうしたでしょうか・・・・・・・?